天使にラブソングを(SISTER) (1992年)

音楽:マーク・アイシャム
監督:エミール・アルドリーノ
出演:ウーピー・ゴールドバーグ/マギー・スミス/ハーヴェイ・カイテル

マフィアの女だった場末の歌手デロリス
殺人現場を目撃してしまい警察に駆け込んだ
警察に行ったことが知れるときっと消されると、修道院に身を隠すことになる
規則正しく毎日を平穏に過ごすシスター達になじめなかったが
合唱部を指導することでまわりにとけ込んでいく
厳粛な「ハレルヤ」をロック調のゴスペルにアレンジし、ミサの日に披露する
音楽に惹かれ、今まで教会に足を運ばなかった人たちまでも来るようになり
この教会のミサは有名になってしまう

ゴスペルの誕生

 20世紀以前、アメリカへ連れて来られた黒人たちは、労働のためのワーク・ソングや
黒人霊歌(ニグロ・スピリチュアル)と呼ばれる宗教歌を歌っていた
しかし、黒人霊歌にはキリスト教という元々自分達のものではない宗教への同化という側面もあり
必ずしもアフロ・アメリカン(アメリカの黒人)の歌が持つバイタリティーが現れたものとは限らない
 奴隷制は廃止になったといっても名ばかりで、相変わらず厳しい生活環境のなか
精神的安息や同朋との結束、そして娯楽の場としても教会の役割が増大する
週に1回、人々は牧師の説教に聞き入り、祈り、共に歌うことを心底楽しんだはずだ
  そういったなか、20年代から30年代にかけて徐々に黒人ならではのリズム感や節回しを持つ
宗教歌が成立してくるこれがゴスペルである
ゴールデン・ゲイト・カルテットやノーフォーク・ジュビリー・カルテットなどが
ゴスペル最初期の有名グループだが、白人宗教歌や黒人霊歌の面影も残しつつ
グルーヴィーなア・カペラ・シンギングを確立した